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会報Vol.115

コロナ感染拡大はさらに深刻な状況になってまいりました。
皆さまお元気でいらっしゃいますか?
今年初めての会報になりました。すっかり滞ってしまい申し訳ございません。
4月に、私がオンラインについて勉強させていただいております講師の先生の音声SNSクラブハウスでゲストとして「スオミ・ピアノ・スクール」についてお話する機会があり、とても大きな反響がありました。その反響に応えて5月5日にスオミ・ピアノ・スクールZoomセミナーを開き、その後、5月28日より5回にわたって、指導法講座を行いました。受講された方の多くがスオミを全くご存じなかったり、店頭でテキストを見たことはあったけど難しそうなのでそのままになっていたという方々でした。オンラインですから日本各地だけでなく、ドイツやアメリカからも受講していただきました。講座終了後、嬉しい感想をたくさんいただいております。また継続のご希望もいただきました。
4月にはFacebookグループ「ピアノ指導者のためのスオミ・ピアノ研究会」
https://www.facebook.com/groups/4068699676520411/
も立ち上げました。グループ内でライブ配信を3回ほど行いました。現在83名の先生方にお入りいただいております。皆さまも是非ご登録下さいますようお願いいたします。
一昨年に舘野泉先生をお招きして2回の講座を開催したときには、多くの方々に喜んでいただけたものの、いろいろな意味で今後はこういった講座はできないだろうと考えていました。そこへ昨年からのコロナ感染拡大で、またもやスオミの存続が危ぶまれるのではと心配していたところでした。今ではオンラインであれば舘野先生をお迎えしての講座も可能なのではと考えております。
こちらの研究会は5月に行うつもりで会報を作成中でしたが、急な展開で決まったオンラインセミナーのために、これまでにやったことのないオンライン上の仕組み作りに終始追われるようになり、ご案内さえできないまま延期となってしまいました。
それからピティナも変化があります。これまでの「コミュニティ・ブログ」が2021年9月末(予定)をもって終了することになりました。そのため各ステーションでFacebook、Instagram、Twitterなどから情報発信していくことになりました。
「ピティナちば若葉ステーション」のFacebookページとInstagramは開設しました。それぞれのURLです。
Facebookページ
https://www.facebook.com/chibawakaba.station/
Instagram
https://www.instagram.com/ptna_chibawakaba_station

インスタグラムは皆さまも共通のメールアドレス chibawakaba.station@gmail.com
とパスワード(私の方へお問い合わせください)で投稿できますので是非お願いいたします。
今年度の研究会は2回にさせていただき、更新の手続きをしていただけますようお願いいたします。
 (浜本)

それでは初めに第117回研究会の報告をいたします。


◆    第117回研究会報告
日時 : 2021年12月11日(金)  10:00~12:00
内容 : スオミ・ピアノ・スクール第1巻より

7か月振りのオンラインによる研究会になりました。
コロナ渦でのレッスンで感染対策など工夫されていることをお聞きしました。
♪ 一人ひとりのレッスンの間を5分、または10分開けて、換気、消毒、鍵盤の除菌をしている。
♪ ノートを見ている時間に窓を開けて換気する。
♪ 早く来てしまう生徒には、玄関に待機所を作り、レッスン室で前の生徒と重ならないようにしている。
♪ 筆記用具は生徒自身で用意してもらい、小2年生ぐらいからは諸注意など自分で書かせる。
 (漢字を覚えるというメリットもあった。)
♪ 初めの頃はビニールカーテンを付けていたが、それでも生徒のそばにいくことになるので今ははずしている。
♪ 生徒が風邪気味だったり、少し体調が悪いときはオンラインレッスンにしている。
♪ 初めからオンラインレッスンを希望する生徒もいて、続けている。
♪ 生徒の動画を送ってもらい、それに対してのアドバイス動画を返す、というレッスンもしている。

ピティナ・オンラインステップに参加
♪ 生徒の自宅、または教室からZoomで参加。
♪ 教室からのステップ参加の日に合わせてマイクを購入した。
ピティナの方から、マイクのおかげでピアノの音が良かったという感想があった。
♪ 教室からの参加では、画面がこちらからも見えるようにパソコンとiPad両方で入った。

「スオミ・ピアノ・スクール」第1巻より
●    P.32 「としよりねこ」
♪ 先ず通して弾いていただきました。
歌詞の内容に合わせて各変奏のテンポも変えて弾かれ、雰囲気がとてもよく出ていました。
♪ 「スオミ」では初めての8分の6拍子。
すでに他の併用しているテキストで経験している場合もある。
初めて8分の6拍子を教えるとき、どのようにしているのか、皆さんに聞いたところ、
「ピアノランド たのしいテクニック」上巻 P.42から4ページにわたって8分の6拍子の練習が載っており、ここから教えるという先生が多かった。
付点四分音符をひとつにとるところから始まっている。
2拍子系で1拍を3つに分けていることを感じるために、1小節にちゅうりっぷの花が2つあって、それぞれに花びらが3枚付いているという説明は分かりやすい。
先生の伴奏といっしょにその感じがつかめるようになっている。
♪ 3、4段目の左手の前打音は3,2,1の指を全部のせてから順に弾くようにする。
  練習方法として、3音を同時に弾いて1だけ残すことからやってみてもいい。
♪ 前打音の頭の音を拍に合わせる。(ねこのうなり声のような感じ)
♪ 4段目から次のページに移るところは両手とも素早く用意できるように練習をする。

●    P.34 「リーサの子もり歌」
♪ このページから急に難しくなったように見えるという意見があった。
音符の大きさは変わっていないが、1段8小節で小節の幅が狭いため。
(弾くとそうでもなく、”旅立ち”の「ほしはかがやく」と似ていると思いませんか?)
♪ 左手は2声で、バスの2分音符の長さをよく保つ。
♪ 内声の方はシンコペーションのリズムに気を付けて練習をする。2拍目裏の8分音符が強くならないように。
1の指がねてしまわないよう立てるようにする。
♪ 子守り歌にふさわしいゆったりとしたテンポで。
8小節をひと息で歌えるテンポがいいとの意見があった。
♪ 短いが心にしみる味わい深い曲なので時間をかけても心をこめて弾いてほしい。

● P.34 「小さなおどり」
♪ 初めての8分の3拍子。
4分の3拍子と違うのは1小節をよりひとつに感じて4小節のまとまりをもって弾くことでしょうか。
左右とも3拍目が強くなることのないように1小節ひとつの動きで(ひとつの円を描くように)弾くように。
♪ 3拍子を体で感じさせるために工夫していることを挙げていただきました。
•    スカーフを回してみる。
•    長なわとびを回すイメージ。
•    バレエの手の動き→1で手を体の中心にして2,3と腕を広げながら上げていき (3が一番高いところ)、次の1で体の中心に下ろし、2,3は逆の方向へ上げていく。1は上から落ちたようにはならないで、次に上がるための通過点となるように。
•    小さな子どもは手をつないでゆりかごのように左右に動かす。この時も1が体の中心になるように。(“音楽
への旅立ち”のP.32)

(以下会報掲載)

 


 

会報Vol.113

新型コロナウイルスの感染拡大で世の中が一変してしまいました。
皆さま、お元気でお過ごしですか?
ピアノのレッスンも大きく影響を受けましたね。休講を余儀なくされたり、オンラインレッスンを導入された方もいらっしゃるでしょう。
5月の定例研究会はZoomを使ったオンラインで行うことにいたします。
11月15日に予定しておりますピティナ・ピアノステップ 千葉若葉地区 も今後の状況次第では中止となるかもしれません。(現在実施されているステップはピティナ本部によるオンラインステップとなっております。)
5月ゴールデンウイーク中にピティナからYouTube配信された“丸の内GWミュージックフェスティバル2020”ではまさに新しい時代の音楽との向き合い方を見せていただきました。最後のプログラムには小原孝先生がご登場されました。先生ご自身、初めてのYouTube ライブだったそうです。
私たちは今、時代の大きな改革の局面に立ち会っています。アフターコロナも見据えながらこの時期を乗り切りましょう。

それでは初めに第115回研究会の報告をいたします。

 

◆ 第115研究会報告
日時 : 2020年1月31日 (金)   10:00~12:00
会場 : 千葉市生涯学習センター  音楽スタジオ
内容 : 1、ジョン・ジョージ「森の夜明け」第3部 たのしい夢(連弾)
                                                    テキスト紹介
                    2、「スオミ・ピアノ・スクール」 第1巻より

<内容>

1. 前回に続いて都築さんに、ジョン・ジョージの「森の夜明け」を紹介していただきました。
 

「森の夜明け」                                                                                                 (都築裕子)
この本の作曲者ジョン・ジョージ(1944~1982)は、ジャズギタリストとして活躍する傍ら妻と共同で音楽学校を設立し、学生達のために多くの優れたピアノ曲を書きました。『森の夜明け』(全音・1998年)は、第1部「ジャングルの一日」(ソロ)第2部「森の一日」(ソロ)第3部「たのしい夢」(連弾)の3部構成で、全てイマジネーション豊かな楽しい曲ばかりで、子どもの感性を大切にするスオミにも通じる曲集だと思います。特に3部の連弾はレッスンや発表会にとてもおすすめで、紹介させていただきました。


~特徴とおすすめの理由~
1)  連弾曲はセコンドのレヴェルが難しい場合が多いですが、この「たのしい夢」はプリモとセコンドが同じレヴェルなので、《生徒同志で演奏》できる貴重な連弾曲で、両方のパートを無理なく体験でき、相手の音をよく知ってからお互いをよく聴いて合わせる練習ができます。
2) 《旋法》や《ジャズのコード》を積極的に取り入れているので、I-VI-Vとはまた違う、多彩な和声の響きが新鮮で魅力的です。
3)  とても《シンプルなアンサンブル》で、プリモとセコンドが合わさった時に美しく響くような工夫を凝らした書法で、連弾ならではの特別な楽しさが味わえます。
4)  テクニック的には指に優しく無理がなく、「おもしろい曲なのに弾いてみるとやさしい!」。書き込み過ぎずシンプルだからこそ1つ1つの音がとても大切で、奏法の点で《ロシア奏法》『はじめの一歩』などで学んだ内容の復習になります。
5)  ジョン・ジョージはギタリストなので5度の響きが好き。5度の真ん中に3度を入れると調性がはっきりしてしまうが、長調か短調か判らない《あいまいな5度の響き》=《空虚5度》が個性的でおもしろい。
6)  イラストレーションはジョン・ジョージが描いたもので、1枚の絵の中に物語があります。演奏のイメージ作りのきっかけに、生徒さんと絵をみていろいろお話するとよいでしょう。

~各曲のポイント~
今回は全21曲中、導入全7曲、レヴェル1とレヴェル2より各々2曲を、神谷さんにお願いし連弾いたしました。

 

【導入】
<小さな曲>
深い呼吸でゆったりと歌って弾きたいです。
セコンド:左手全音符の1オクターブ下行音階をよく歌う。両手で第3指の1本指で弾いてみると良い。
プリモ:4度音程のところを特に大切に。この素朴で美しい歌を右手《第3指の1本指》でも弾いてみて、音の上下の方向性と2・3・4度の音程の幅を《腕や体と連動させ感じる=アライメント》。
※1本指で弾くのはロシア奏法の復習。
<サーカスがやって来た>
リズミカルに浮き浮きと「やって来た!」の気分で。3段目から少しアッチェレランドしてもおもしろい。
セコンド:左手から右手へ2音のつなげ方で、弱拍はスタッカートなので強くなりやすくリズムが重くなるので注意。
プリモ:書いてある細かいアーティキュレーション通りに弾き、楽しいサーカスの感じを表現する。

<悲しいちょうちょ>
「悲しいってどんな感じ?」。悲し過ぎずちょっとだけ悲しい。気だるい感じ。4段目のritは合わせるのが難しいので、相手の音をよく《歌って》弾く。
セコンド:1・3段目はその場でソ~ラ~とかすかに揺れて、2・4段目から動き出します。《3拍子の拍子感》をしっかりリードする。《4分音符+2分音符》の3拍子。
プリモ:フレーズの長さの違いに注目!する。呼吸(ブレス)を大切に旋律を歌う。2つ目のフレーズからは《全てアウフタクト》で始まりますが、セコンドの3拍子に乗せて気持ちよく弾きたい。
<歩道の歌>
挿絵をよく見てイメージする。セコンドはステッキ片手に歩いているおじさん、プリモは走っている子どもと犬。
セコンド:歩いている様子の《オスティナート》。ずっと変わらずmpを保ちテンポキープで弾くのが難しい。7・14小節目だけはプリモのpをよく聴き邪魔にならない音量で弾く。レガートをノンレガートやスタッカートでも弾いてみる。
プリモ:始めの3つの「ド」はファに向かって行く。7・14小節はsubito pでエコーのように。
<カニのダンス>
「カニのダンスってどんなダンス?」。できれば…波打ち際で飛びはねているカニの動きを体で表現してみる。
カスタネットなどで2・4拍の《裏打ち》をみんなでアンサンブルすると楽しく、演奏者もリズムにノリやすく弾きやすい。
前奏2小節+《2・5小節+2・6小節》のまとまりでフレーズを感じる。
コンド:空虚5度の連続が、曖昧で不思議なおどけた感じを表現。6・7小節と13・14小節の弾き方に注意。この部分の cresc.の3つ目の音にしっかり《アクセント》をつけてから、《subito pp》。(プリモは同じ場所にアクセントが書いてある。)


<日曜日の午後>
「日曜日の午後はいつもどんなふうに過ごしている?」「お家で好きなことしてノンビリ過ごす?」「お天気が良ければ!お弁当持ってピクニックもいいね。」などと曲の場面を話し合う。
2・4段目は、セコンドとプリモの《3度のハモリ》が美しいので、お互いよく聴いてきれいに合わせる。
落ち着いたテンポで演奏したいです。
<水玉ポルカ>
何か楽しいことが始まりそうでワクワクします。発表会のオープニングや休憩後の開始のお知らせの曲として、生徒同志で演奏すると効果的。テンポは速めに。強弱の指示はないが、4段目はf、5段目は《subito p》にしてから cresc.すると、さらに楽しい表現になります。セコンドは<サーカスがやって来た>と同じ弾き方の注意。プリモは、裏拍で手拍子しながらメロディーを歌う練習をするとよい。


【レヴェル1】

<星の王子様>
「王子様はどこに行くのかしら?」「乗り物は何?」「輝かしくとはどんな音?」
セコンド:王子様の乗った馬が、パカパカと進んで行く音をイメージし表現する。
プリモ:右手と左手のたての響きは《全て!3度音程と5度音程》である。「輝かしく」とは、《ファンファーレ》の音をイメージして弾く。


<カーニヴァル・ソング>
1・3段目は、《内声》(プリモの左手とセコンドの右手)のスタッカートの音が、《6度の響き》でハモるので、お互いよく聴いて合わせる。イラストでは3人目の人が太鼓を叩いて、スタッカートの音を表している。
内声と外声の《4声のバランス》に注意。スタッカートの音は強くなりがちなので、内声を聴きつつ外声のレガートの旋律の方を出す。プリモの2・4段目の右手と左手の《2声の旋律》は、左手もよく歌い美しく弾きたいです。

 

【レヴェル2】

<森の花>
「かざらずに」とは、「あまり雰囲気を出し過ぎないで」との意味。ぶつかる2度やジャズのおしゃれな和音。書かれた音そのものに魅力があるので、無理に何かを表現しようとせず音に寄り添えば、自然に素敵な曲になる。この曲も、内声のハモリ(セコンドの右手とプリモの左手)がとても美しいので、よく聴いて演奏したいです。4声のソプラノとバスもお互いによく聴いて!
 

<トロッコの歌>
セコンドの繰り返す音型は、テンポキープで「速く」の指示なので難しい。スタッカートは、ロシア奏法のハノン60番の練習法を逆に応用し、手首の回転でレガートで練習してからスタッカートに戻してみると弾きやすくなります。

以上、時間の関係で今回取り上げられなかった曲も、魅力的な楽しい連弾曲ばかりですので、機会があればまたそちらも紹介したいと思います。
~日本で出版されているジョン・ジョージの他の楽譜~
『ジョージの小さな演奏会 1・2・3』 (全音2019年・旧カレイドスコープ1~5)
『ピアノの広場 1・2』 (全音・1998年&2000年)   〔共著〕

2.「スオミ・ピアノ・スクール」 第1巻より
 


●P.25 さぎょうのページ Ⅱ「とい と こたえ」

♪ 8小節のメロディーの前半4小節を「問い」として、それに答えるように後半4小節をつくる。
♪“音楽への旅立ち”P.35に「とい と こたえ」という同名のタイトルの曲があり、そこで「問い」と「答え」を経験している。
♪ 説明に書かれているように「答え」は「問い」と同じリズムにして、ド~ソの音だけを使う。
♪ 先生が「問い」を弾いて生徒が「答え」を弾くのを何回かやってみるといい。(逆も)
♪ ひとつの課題にいくつか「答え」を作ってみて、一番いいと思うのを書いてもらう。
♪ 生徒の作ったものにはまずは賛同する。
♪ できそうな生徒にはそのメロディーに左手伴奏をつけてみるのもいい。
例:①最も簡単な方法はGの音のみで。
  ②CかGの音をメロディーに合わせて選ぶ。
  ③さらにできそうなら和音をつける。
♪ 慣れたら5番で「問い」も「答え」も自分で作ってみる。
♪ 拍子を決める際に、学校で使っている「みんなの歌」の中から何曲か歌って、拍子を選ばせているという話が出ました。
♪ P.35のさぎょうのページ Ⅲ のマーチやワルツを作曲する課題につながる。


● P.26「音程」
♪“旅立ち”(P.62「おんてい」)では2度から5度だったが、ここでは1度からオクターブまで広がっている。
♪ イラストのように温度計や階段で示されているのが分かりやすい。
♪ 鍵盤の位置と音符の両方で答えるクイズが面白い。
♪ 実際に音を出してみるといい。聴いても分かるようにしたい。
♪「Eから4どを…」となっているのは「4ど上を…」と入れる。
 P.27「コッ、コッ、コッ、コッ」
♪ イラストのニワトリがミミズ(?) を足で押さえて引っ張っているように、Cの音を押さえ、手首を回してスタッカートを弾く。
♪ オクターブが届かない場合は押さえているCを離しても構わない。
♪“バーナムピアノテクニック”にも似たテクニックの練習がある。(「右手で宙ぶらりん」「左手で宙ぶらりん」「両手で宙ぶらりん」)
♪ Cの全音符が短くならないように。
スタッカートの4拍目を弾いた後にCがまだ響いているのを聴く。
♪ 前のページで勉強した「音程」をそのまま曲で学ぶことができる。


● P.28「重音をレガートにひきましょう」
♪ 上級者でも重音のレガートの弾き方を知らないことがある。
このように特に取り上げて練習するようなテキストは他に見当たらないので、このページはとても重要。
♪ 解説のページP.84に段階的に練習する方法が載っているので参考に。
♪ 動く方の音がレガートに弾けたら、同音の方もレガートで弾けるように。
同音は手首を楽にして指を動かす。
♪ 8分音符の平行する3度の重音はよくそろえて弾けるように。
練習方法として、上(または下)の音を2~4回ずつ連打して、もう一方の音をつなげて弾いてみる。

(以下会報掲載)

◆ 第20回  ロシアピアノ奏法勉強会報告   2020.1.30
 

【ハノン】
前回もやった57番(オクターブによる分散アルベジオ)からスタート。
鍵盤から取り出すように、小さな音で下から跳ね上げる。
手首のしなやかさがなくならないように、連続して止まらないように。弾いた瞬間に前へ抜く感じで。
次に60番のトレモロ
全6ページと長いが、まずは2ページ目のダブルバーのところまでで良い。3年かけて全て通せる位のつもりで、毎日やると甲が回るようになり、ストレッチになる。
最初は腕が動くようなつもりで、ゆっくり練習する。慣れて来たら指だけで。
1の指をブラブラにして、和音で弾く練習をする。
次のポジションに移る時、お尻を少し上げてから移行する。中学生などにもやらせると良い。
次回までは、まず全部 p p でやって来るように。

 

【ピアノ・エチュード集❶】
第1章  隣りあった音の連なり
No.1
8分の6拍子の拍を取りながら左から練習する。2小節目の左の音形は、はじめの一歩の応用
No.2
左手のアルベルティバスのラインの上に右手が入って来る
右手は同じ音が続く所で止まらないように。
No.3
左手は、休符を感じて弾きながら右手が巻き込まれる感じで。
6、7小節目のような音形、5の指は肩甲骨、後ろの方で、1の指は前へ感じて弾く

 

【曲集】
44ソナチネ
左手のアルベルティバスを子どもに教える時は、子どもの手を先生の手に乗せさせて、動きを教える。その左手の乗せて右手を弾く。
47ソナチネ
2、4小節目など、ペダルを離してから太ももの所で支えてエネルギーを感じて、右手の6度や3度を弾く。
17小節目からのペダルが無い所は、我慢して堪えて弾く感じで。

(以下会報掲載)

また、今回の勉強会の始めに村手先生監修、古畑先生編集の新しい楽譜のお話しがありましたが、既に出版されました。
    ロシア奏法によるピアノ教本はじめの一歩
    響でつむぐピアノ1、2
はじめの一歩の4巻の曲集をさらに発展させたもので、ロシアの作曲家のピアノ曲が子どもが無理なく弾けるレヴェルで、作曲家固有の音色に親しむ事が出来る貴重な曲集です。第2巻は、大人や愛好家のアンコールピースにも最適だと言う事ですので、是非楽譜を手に取ってみて下さい。
(神谷)

 

会報Vol.112

令和2年は穏やかな年明けとなりましたが、皆様お健やかにお過ごしでしょうか。今回から会報の用紙と文字を大きくしましたのでご了承ください。また研究会も新年度となりますので、更新の手続きをよろしくお願いいたします。


昨年は1月31日の第6回ピティナ・ピアノステップに始まり、2月14日、5月9日と2回の「スオミ・ピアノ・スクール」のセミナーを開催することができました。おかげさまで「スオミ・ピアノ・スクール」は絶版の危機は免れたようです。
今年は第7回ピティナ・ピアノステップを11月15日(日)に千葉市若葉文化ホールで開催することになりました。会場費が上がりましたので、なるべく多くの方に参加していただけるよう期待したいと思います。
時代の変化に伴い、レッスンの現場もいろいろ変わってきております。生徒さんの低年齢化も進み、指導者はより幅広い指導技術や心構えが求められるようになりました。
「スオミ・ピアノ・スクール」の素晴らしいところをレッスンで生かしていくためには、今の子どもたちへ伝えていく効果的な方法を探っていくことも必要なのだと感じています。今年の研究会はそのような点も踏まえながらより充実したものにしていきたいと思います。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。            (浜本)

◆ 第114研究会報告
日時 : 2019年10月30日 (金)   10:00~12:00
会場 : 千葉市生涯学習センター  音楽スタジオ
内容 : 1、テキスト研究   「スオミ・ピアノ・スクール」 第1巻より
2、『ソーヨひめとファーデスおうじ』について~後編~
<内容>

1. 第1巻より

 P.18「音符と休符のながさ」
♪ 音符や休符の名前と長さの関係が上の図で示されている。
この円を分割するのを子どもにイメージさせるために、バースデーケーキが分かりやすい。 
♪ “音楽への旅立ち”のP.31と関連がある。
♪ 下の動物のイラストのクイズで音符の長さによって重さが変わることがよく理解できる。
このイラストのうさぎと犬は微妙なので4分音符、8分音符のどちらになっても正解としていい。
 P.19「こおりの上で」
♪ 旧東京音楽社版はこのページではベルコヴィチ(ロシア1902~1972)の「ジョギング」が載せられている。(同じ曲が“はじめの一歩”第3巻に156「エチュード」として入っている。)
♪ 「こおりの上で」は同じように16分音符を5指で弾く曲ではあるが、この段階では少し難易度が高いように思われる。後に回すか、「ジョギング」のような他の曲をはさんでもいい。
♪ 下2段で左右のフレーズが互い違いになる部分は、そのための練習方法を示してあげる必要がある。
♪ たとえば左右のフレーズの入り口と終わりの関係をつかむために、各フレーズの頭の音と終わりの音だけを取り出して、両手で
右 C―F,  H―E, A―D,  G―C
左 C,  D―G, C―F,  H―E
というように弾いてみる。

 P.20「さぎょうのページ Ⅰ」
♪ ドイツ音名のクイズ。
釣り糸の線は色鉛筆で色を変えて書いた方がいい。

 P.21「ゆめのくにぐにへ」(即興演奏)
♪ 初めに拍子のある単純な形で例を示してあげるとよい。
♪ 慣れてきたら音の順序やリズム、高さを変えたりするといったアドバイスをする。(子どもに合わせて)
♪ レッスンの中で無理に完成しなくてもいいので、自由に音で遊ぶ楽しさを知ってもらいたい。

(以下会報掲載)

『ソーヨひめとファーデスおうじ』について~後編~       

前編では全体の特徴とねらいについてお話したので、後編は、もう少し具体的に何曲か選び各曲ごとに見て行きます。
【ステップ・1】
1) シンメトリーの音、P.4~7のソーヨひめのソ・ファーデスおうじのファ、P.20、21のレンゲのレとシカのシを、セットで覚えます。
2) P.21「てびょうしシカさん」は、先生との連弾で、休符のタイミング合わせと《拍感》の良い練習になります。

【ステップ・2】
1) 《加線の音》を覚える。「レッスンの曲でまだ加線の音が出て来ない」からとステップ2を抜かすべきでなく、この段階で加線の意味をしっかり伝えておきたい。
♪参考テキスト『せんかんブラザーズ』より作成した、「お空の星にさわりたい」「もっと下に行く時どうするの?」の《紙芝居》を読んであげる。※紙芝居をレッスンで使いたい方はお声かけ下さい。
2) 真ん中のドから上にドレミファ、下にドシラソの《加線の8つの音》を、鍵盤上でもしっかり覚える。「真ん中ドーロの線(下第1線か上第1線)はどれ?」と必ず生徒に確認する。
3) P.44「ト音記号のみかん」は《リズム打ち付きの曲》で、先生との連弾で、リズムのノリ良くタイミング合わせゲームをすると楽しいです。
4) P.52の「ドーロでカーニバル」は《シンコペーション》のリズムで、伴奏は《ルンバ》の曲なので、こちらも先生との連弾で、少し難しいけれど楽しいリズム練習になります。(生徒がリズムに乗って弾いているかどうか?見る。)

(以下会報掲載)

◆ 第18回 ロシアピアノ奏法勉強会報告    2019.9.19

《ハノン・アルペジオ》
「タタタ」ではなく「アアア」で呼吸と拍、フレーズを感じて歌いながら弾く練習が大切。
ピアノでは歌う時の腹筋に当たるのが手首。
手首をしっかりホールドして指先はクッションが効いている。そのために1巻の導入が有効。
ウラ拍の音は軽くするが重心はかかっていて次の音に入る。

《曲集》
【1】マーチ
テヌートがあるがleggieroでマーチなので前へ歩いていくかんじで。左手は前へ前へ回転してその動きの中に右手が入る。9小節目からのユニゾンは小指側に力を持ったまま指先に乗せて、たたくのではなくエネルギーをもって。12小節目1オクターブの跳躍は指先の感覚で方向を決めて。13小節目再び出てくるメロディーは初めより明るく。

(以下会報掲載)

◆ 第19回ロシアピアノ奏法勉強会報告    2019.11.29

【ハノン】
先ず、E Fis Gis Ais His(手の小さな子どもはHis➡H) のポジションに手を置いて音を出すところから始まりました。このポジションはショパンの方法にもあり(こちらはE Fis Gis Ais H)、スオミ“音楽への旅立ち”P.24にもF Fis Gis Ais Hのポジションで載っているもの。
ロシア奏法での弾き方は5の指の側に重心を持っていき、1の指は浮遊している感じ。
小さな子どもは1と5の指で5度をつかみ、手を裏返してまた弾くというのを繰り返す(1年間ぐらい)。成長してきたら均等にしていたものを少しずつ5の指から入るように(右に回すように)。そのうち最初から5の指に重心をかける。
肘は張らないでだらんとさせる。
浮遊している1の指は使う時だけ鎖骨から前へ。
アルベルティバスも5の指が重心で、3の音はその中に入れる。

その後、ハノン第1番を4つずつ(1拍ずつ)引き上げながら弾く。
肘は胴体につけて。すると腕の付け根は固くなるが、最終的には脇、腕の付け根は抜けているように。
上腕もゆるゆるに抜けていて、手首、前腕はしっかりしていること。
そのためにピアノのふたの所に指(第2関節からでもいい)をかけてぶら下がる。そのままひっくり返して(手首の腱をしっかり、指先は柔らかく)5の指から弾くつもりで1の指ドを落とす。それから手の中でドミファソと移っていく。
手のできていない子どもには手首を持ってあげて、ノンレガートのようになっていいので指が1本1本次へ移動していくのを感じられるように。
4つずつ止まるのは次の4つの準備をするため。

(以下会報掲載)

◆ 次回研究会

日時:2020年5月22日(金) 10:00~12:00

オンライン研究会を予定しています。

 

 

 

会報Vol.111より

 

厳しい暑さの中にもさわやかな秋の風を感じるこの頃、皆様お元気でお過ごしでしょうか。

今年の前半は1月に第6回目のピティナ・ピアノステップ、2月と5月に舘野泉先生をお迎えして久保春代先生による「スオミ・ピアノ・スクール」のセミナー開催という大きなイベントが続きました。無事終えることができましたのも皆さまの多大なご協力のおかげです。どうもありがとうございました。
今回のステップはこれまでの会場の千葉市若葉文化ホールが改修工事のため、初めて千葉市文化センターアートホールで開催いたしました。アドバイザーには石黒美優先生、小原孝先生、沢田菊江先生にお越しいただくことができました。お昼休みの後と夕方に小原孝先生と石黒美優先生による2回のトークコンサートがあり、大変豪華なステップとなりました。小原先生のトークコンサートでは、スオミ2巻の「むかで」を「不気味なむかで」のイメージで即興演奏して下さいました。
次回のステップは来年秋の開催を目指していきたいと思います。

今年は日本とフィンランド国交樹立100周年という記念の年にあたり、親善大使となられた舘野泉先は特にお忙しいなかでしたが2回もセミナーにご出演くださいました。5月の船橋でのセミナーレポートを掲載しております。
また第16回、第17回ロシアピアノ奏法勉強会報告も掲載いたしました。

それでは初めに第113回研究会の報告をいたします。

◆ 第113研究会報告
日時 : 2019年5月31日 (金)   10:00~12:00
会場 : 千葉市生涯学習センター  音楽スタジオ
内容 : 1、テキスト研究   「スオミ・ピアノ・スクール」 第1巻より
2、『ソーヨひめとファーデスおうじ』について~前編~

 

<内容>
1、第1巻より
 P.16 「うでの力をぬきましょう」
♪「脱力」の方法がイラストとともに丸々1ページ使って書かれている。
それだけスオミでは「脱力」を大切なこととしているということ。
♪“音楽への旅立ち”のP.15「て」の続きとなるページ。
“旅立ち”の段階でやってもいい。
♪ それぞれのイラストにイラストレーターのマイヤ・ランタさんのサインMRが小さく入っている。
スオミのイラストには、日本版で加えられたイラスト以外、必ずどこかにサインが入っていて、一つ一つのイラストが心を込めて描かれた大切な作品だといえる。(生徒さんと探してみるのも楽しい。)

 P.17 「雨がふる」
♪ 次のページP.18 「音符と休符のながさ」で音符の長さと重さの関係を確認しておく。
P.18の一番下の譜を実際に弾いてみるとよく分かる。16分音符はかなり軽く指先で弾かなければならない。(まず手でたたいてみるといい。)
♪ 音符の長さの変化に歌詞が対応している。
ここでの2分音符はぼたん雪のような雪と考えられる。
♪ 1段目は4小節にわたってスラーがついていることに注意。
右手レガート、左手スタッカートで弾く練習になる。
♪ 2段目は2音のフレージング(後ろの音がスタッカート)で始まる。
4小節間でPからfまで大きなクレッシェンドになっている。
左手をよく歌って、右手がその上にのるように弾く。両声部をよく聴きながら、いいアンサンブルになるように。
♪ 1段目3、4小節目左手や2段目3小節目の右手の同音の指かえは拍感を持ちやすくする。

♪ 8小節の短い曲でありながら、課題が多い。

 P.17 「子もりうた」
♪ 旧東京音楽社から最初に出版されたときは、「わになっておどろう」という題名だったが、ヤマハミュージックメディアから再版されたときに「子もりうた」に変更された。「子もりうた」のほうがふさわしい感じではあるが…。
♪ 2小節、または1小節のフレーズになっており、後のフレーズが前のフレーズの変奏となってPで繰り返される。
左手もEとFの繰り返しで同じフレーズになっている。
呼吸をともなって弾くように。
♪ 終わり3小節は長いディミヌエンド。最後のPPに持っていくために、集中力を持って左右の音をよく聴きながら弾く必要がある。
(そのことでかなり表現力がついた子どもがいるとの話が出ました。)

この後は都築さんより、楽しい譜読みのテキスト『ソーヨひめとファーデスおうじ』についてのミニ講座がありました。 

以下会報掲載

 

 

 

会報Vol.110より

葉の眩しい季節となり、新しく令和の時代を迎えましたが、皆様お元気でお過ごしでしょうか。
ホームページのアドレスが新しくなりました。ご不便をおかけしますがホームページを閲覧の際は下記のアドレスへアクセスしていただきますようお願いいたします。
             http://suomicjp.wixsite.com/index


いよいよ新時代令和がスタートしました。
平成を「スオミ・ピアノ・スクール」の歴史で振り返ってみますと、
初めて日本版の“音楽への旅立ち”が(株)東京音楽社(現在の(株)ハンナ)から発刊されたのは1988年、その翌年の1989年平成元年に第1巻、平成2年第2巻、平成3年第3巻と続いて発刊されています。それに伴い、坂井百合子先生によるスオミの公開講座が全国各地で開催されるようになりました。
平成5年に千葉でスオミ・ピアノ・スクール研究会が発足しました。
その後東京音楽社が倒産し、スオミは絶版となりました。
平成7年10月にスオミ復刊のために舘野先生がお話を持ち掛けて下さったヤマハミュージックメディアへ舘野先生、坂井先生、久保先生とご一緒に出向きました。会議が進むうちにその会議室からフィンランドの出版社WASOYへ国際電話がかけられ、その場で出版が決定しました。翌年の平成8年に“音楽への旅立ち”と第1巻が、平成9年に第2巻と第3巻がヤマハミュージックメディアより出版されました。
スオミの復刊記念として平成8年と9年に「スオミ・ピアノ・スクール」公開講座を日暮里サニーホールで開催しました。坂井先生、舘野先生、久保先生お三人での対談、坂井先生による講座、舘野先生のスオミの作品を含む演奏という夢のような講座でした。手元の資料では両日合わせて参加者434名(招待除く)、テキスト販売数約370冊となっています。
平成10年にはフィンランドから原著者のおひとりエーヴァ・サルマント氏をお迎えして、千葉、豊橋、北茨城、銀座、西国分寺で公開講座が開催されました。
平成15年に坂井先生がお亡くなりになりました。改めて研究会のあり方、必要性、意義などを考え直し、皆さんとの話し合いやアンケートの結果、研究会を続けることになりました。
平成17年にヤマハ千葉店で久保先生による講座が開催されました。

その後は積極的に講座の企画は考えていなかったのですが、出版社からテキストの存続が危ぶまれる声を聞き、急遽、舘野先生をお迎えして久保先生によるスオミのセミナーを企画し、平成21年4月にヤマハ銀座店にて開催されました。続けて5月に久保先生による公開講座が伊藤楽器や木更津コンドー楽器店で開催されました。7月には久保先生と私とで指導法セミナーを銀座店で開催しました。伊藤楽器店では「スオミ・ピアノ・スクール船橋研究会」が始まりました。
舘野先生をお迎えして久保先生によるスオミのセミナーは平成27年9月と29年2月にヤマハつくば店で、29年10月に宮地楽器小金井店で開催されました。またピティナちば若葉ステーション主催で27年10月に美浜文化ホールで開催しました。

昨年スオミ第1巻が出版元でなくなり、再版にこぎつけるため、今年2月にカワイ表参道 パウゼにて、ピティナちば若葉ステーション主催で舘野先生をお迎えしてスオミのセミナーを開催しました。(セミナー報告を掲載しております。)ようやく再版された第1巻は当日無事会場に届きました。
以上、駆け足ですが 「スオミ」 の約30年間の歩みを振り返ってみました。
連休明け9日には伊藤楽器ミュージックシアターにて、再び舘野先生をお迎えして久保先生による、令和初めてのセミナーを開催いたします。皆さまのご協力をよろしくお願いいたします。
(浜本)

それでは初めに第112回研究会の報告をいたします。

 

◆ 第112研究会報告

日時 : 2019年1月31日 (火)   9:30~11:30
                                                     11:30~12:00  ステップ反省会
                                                     12:30~  新年会&ステップ打ち上げ (於:ペッシェヴィーノ)
会場 : 千葉市生涯学習センター  音楽スタジオ
内容 : 「スオミ・ピアノ・スクール」 第1巻について 


<内容>
歌うことは音楽の基本です。
第1巻は歌の曲から始まります。
フィンランドの子どもたちにはなじみのある「アーアー、ヘイッキ」に続いて日本の子どもたちが知っている「チューリップ」や「ぞうさん」が壁真理子さんの編曲で入っています。
後ろの解説に、言葉の助けを借りてリズムをたたくように、そして歌いながら弾くようにと書かれています。

 

● P.10 「アーアー、ヘイッキ」
フィンランド語の歌詞がそのまま載せられているので、原語で歌ってみようということになりました。
それぞれの段の初めは
    aa,aa (アーアー)➡、アーアー、
    ai,ai(アイアイ)➡アラ、アラ
    surrur(スールール)➡クル、クル
と分かりやすいですね。
    1段目の終わりは leikkii         2段目の終わりは sotkea
    3段目の終わりは pukki          4段目の終わりは harnata
と終わりが韻を踏んだ歌詞になっています。
翻訳アプリにフィンランド語も入っているので、意味と発音(音声で)を調べました。ほぼローマ字読みでいいようです。
入っていた単語の発音(音声で聞こえたもの)と意味を載せます。
    kissa   (キッサ) ねこ
    langoilla (ランゴイラ) ワイヤー➡糸玉
    leikki (レイッキ) 遊ぶ
    veitikka (ヴェイティッカ) 少しならず者➡いたずらっこ
    ei saa   (エイサー) できない
    ankoja (ランゴヤ) ワイヤー➡糸
    sokkea (ソットゥケア) 乱雑➡もつれさせて
    rukki  (ルッキ) 糸車
    on (オン) あり
    suuri (スーリ) 大きい、すばらしい
    pukkia (プッキア) ヤギ?
    harnata (ハルナタ) いじめ

♪ 大きな4小節のフレーズを感じるためにもまずリズム打ちをする。
♪ 2分音符、4分音符、8分音符と音符の長さの違いは重さの違いであることを意識して。
♪ 弾く時は、初めの2小節は2分音符でたっぷり、3小節目4分音符はアクセントなどつかないように前より軽く、次の8分音符はさらに軽く弾く。
♪ 歌うように2小節ずつブレスを取るが、2小節目の3拍目Eで終った感じにならない(落とさない)よう、3小節目のGに続く感じで。
♪ 3小節目や11小節目の8分音符の同音連打、8小節目、16小節目の1の指での同音連打は、手首を固くしたり、指を高く上げたりしないで、手首を少し上げていくようなひとつの動きのなかで指を鍵盤から離さず小さな動きで弾く。

♪ 左手の旋律もよく歌うように。
左手を弾きながら右手を歌ったり、できるなら逆もしてみる。
♪ 2番(9小節目から)の左手は1番の変奏であるが、5小節目の和音がⅤ度、同じメロディーの13小節目はⅣ度になっている。
♪ 9小節目からの左手は手首をわずかに右に回転させる動きを使って弾く。
2拍目4拍目のCの音はかなり小さくなるように。

● P.12 「ぞうさん」
♪ スラーをよく見てフレーズを大切に歌うように。
♪ 1番、2番の歌が載っている。

以下会報掲載

 

 

 

 

 

 

 

 

 

会報Vol.108より

記録的な猛暑が続いた今夏ですが、朝夕の心地よい風と虫の鳴き声に秋の気配を感じる頃となりました。皆様お元気でお過ごしでしょうか?


スオミ第1巻が現在、出版元で切れて手に入らない状態が続いていますが、この秋か遅くても年内には、価格はそのまま、白黒で再版することになっております。この新しい方法は少ない冊数から印刷することができるので、常に在庫をキープしておけるそうです。そのため今後はこれまでのような再版までの途切れる期間というものがなくなり、絶版の心配もしなくてすむようです。2色刷りでなくなるのは残念ですが、将来まで出版が保証されたことは良かったと思います。そして嬉しいことに絶版になっている第3巻も再版が可能とのことです。

スオミの日本版が旧東京音楽社から出版されて30年になります。次々と新しい教本やメソードが生まれていますが、今もスオミのメソードは少しも古くなっていないばかりか(ただイラストの一部は時代を感じさせますが…)、スオミにしかない素晴らしい部分がたくさんあります。それを多くの方にお伝えするために、来年は再び、舘野泉先生をお迎えして久保春代先生による「スオミ・ピアノ・スクール」のセミナーをちば若葉ステーション主催で開催いたします。2015年に千葉市美浜文化ホールで開催したピティナ・ピアノセミナーの第2回目として伊藤楽器ミュージックシアターで、またカワイ表参道コンサートサロン パウゼで第1回目として開催する予定です。

坂井先生のご子息の和さんが舘野泉ファンクラブ会報に寄せられた記事「フィリピンでの舘野先生」に、坂井先生からよくお聞きしていたお話や私が東京や北海道のスオミ会員の方たちと「舘野泉先生フィリピンコンサートの旅」に出かけたときのお話が載せられていました。皆さまもお読みになりたいのではないかしらと思っていましたところ、ちょうどコンサートで和さんにお会いしましたので会報に載せてもいいかお聞きしましたら快諾してくださいました。さらに手直しまでされてメールでお送りいただきましたのでそのまま掲載させていただきます。

第6回 ピティナ・ピアノステップは2019年1月13日(日)千葉市文化センター アートホールで開催いたします。トークコンサートは石黒美有先生に決まりました。JR「千葉駅」、京成「千葉駅」「千葉中央駅」から徒歩10分という便利な会場です。是非多くの方に聴きにいらしていただけますよう、お声がけください。                                       (浜本)
それでは初めに第110回研究会の報告をいたします。

◆ 第110研究会報告
日時 : 2018年5月15日 (火)   10:00~12:00
会場 : 千葉市生涯学習センター  音楽スタジオ
内容 : 「スオミ・ピアノ・スクール」 第1巻について 

<内容>
スオミの特徴の一つに選曲の素晴らしさ、幅広さがあります。
第1巻について前回の続きから抜粋して見ていきました。

 P.56「くうそう」
原著者のひとり、エーヴァさんの生徒(当時12歳)の作品。
即興演奏したのを書き留めたような曲。
何を空想しているのか、生徒さんにはそれぞれ自由に想像力をふくらませてほしい。
ペダルによる縦の響きをよく聴きながら、その上にメロディーを響かせていく。押し込んで弾かないよう、P.55の「鍵盤をなでる」タッチを使って。
2、4、6、8小節目の休符や12、16小節目の長い音符は響きを味わうように長めに。拍子はあるがテンポを自由にしていい。

 P.59 は旧東京音楽社のテキストでは「長ぐつのおどり」という楽しいロシアの曲が載っていた。ねこが長ぐつを蹴り飛ばして踊っているユーモラスなイラストが曲の感じをよく表している。ヤマハミュージックメディアから再出版されるときに、著作権が取れなかった曲の1曲で、湯山昭作曲「うずまきキャンデー」に差し替えられた。

 P.62、63「ダンス」
この1巻で2曲目の連弾曲。
バロック音楽として、バッハ以前のリュリの作品が入っているのは選曲の時代の幅が広い。(テキストにはリュリの生没年が1622-1687になっているが正しくは1632-1687)

 P.64もバロック、P.65からP.67は別にしてP.69まで古典派が続く。

 P.67は旧東京音楽社の版では、ルートヴィヒ・シュッテ(1848-1909)作曲「二つの三連符エチュード」が載っていた。やはり著作権の都合で中田喜直作曲「夕方のうた」に差し替えられた。

 P.71「ソナチネ」
1つの楽章が8小節という短い曲でありながら、1楽章、2楽章、3楽章それぞれの特徴を持っている。

 P.72「赤ちゃんぞうのブルース」
ジャズピアニストのヘイッキ・サルマント氏によって子どもたちのために書き下ろされた作品。
弾けるようになったら左手はこのままで、右手のメロディーをリズムや音を変えて即興演奏に挑戦してみるのもいい。

 P.74「おやすみなさい」
スオミ日本版がつくられる際に壁真理子さんに委嘱して加えられた曲。
4分の4拍子から4分の6拍子に変わる。4拍子の4分音符と6拍子の付点2分音符が同じ長さになる。
6拍子の左手はハンモックやゆりかごが揺れているような感じ。2拍目、4拍目が硬くなったり、3拍目や6拍目が強くなったりしないで、スラーの通りに弾けるように。
右手は左手につられないで4小節の大きなフレーズでうたえるように。

この後は自由に話し合いました。

 スオミには移調させる課題が多い。  (以下会報掲載)
 

 


◆ 第12回  ロシアピアノ奏法勉強会     2018.6.29

今回は〝はじめの一歩〟 第3巻 スラーのかかった3つの音符(第2音に重心を置いて)の前回の復習から入り、曲集の中からは舞曲が取り上げられました。
前回と同じ曲もありますが、やった順にポイントを書かせていただきました。

<第3巻>
137 第1音のアウフタクトの音は軽くキーから引き出す。この時息を吸う。
   第2音に重心を、そして第3音は手の甲を上げて。
   最後の2音も息を吸って、弾かずに手を置くように。
138 アウフタクトで息を吸って、2音目に向って。
   重心を置く2音目のところでは、二の腕の重さをかけるように弾く。
   左の重音は4拍目で甲を上げる。
139 まず右手も和音で取る練習をする。
   手は固めて(小さく入る時でも、フォルテであっても)
   弱い時はゆっくり入る。強い時は〝スパッ〟と入る。
140 音階がスルスル行かないようにする練習。
   音階はテトラコ―ド(4つずつ)で取って行く。
   (4つでできていることを意識して弾く。)
141 スラーのかかった4つの音は3つを1つに取って4つ目は弾かない。
   スタッカートの部分は手を固めて準備しておいて弾く。
   ゆっくりのテンポからだんだん速くする。

(以下会報掲載)
 

<曲集>
29 まず左手を先行してとる。
  右3拍目の5の指は浮かせて(甲を上げて)、すぐ向きを変えて次の和音のポジションを手で作ってしまう。
  3拍目で息を吸って、1拍目で吐く。

(以下会報掲載)
 

舞曲は難しいので次回までによく復習しておいて下さい。またバッハの小品(小プレリュードなど)にもつなげて行けるように何回もやって弾き方を覚えてしまいましょうとのことでした。
次回は舞曲と48などのエチュードに進みます。また出来れば、指を作るためのレシピもやりたいとのことでした。

今回の勉強会の2日前の6/27に代々木上原のムジカーザにて、村手先生の講座が行われました。今回が最後の講座との事で先生の昔からの生徒さん方が、出雲、三重、新潟など遠くからも沢山いらしていました。体調がお悪いという事でとても心配でしたが、ピアノを弾かれるお姿は凛としていて、先生の弾かれるピアノの音の響きは本当に素晴らしいものでした。
82歳にして、指導者として又1人の芸術家として進化していらっしゃる。フリーでコツコツと75歳まで毎年モスクワに行ってレッスンを受け、勉強を続けたことが今のこの表現力に繋がって行ったと思う。そんな進化を続けていらっしゃる先生の側に居られる事は幸せなことです、と古畑先生が勉強会の始めにお話しされていました。
村手先生の長年の夢であった、この〝はじめの一歩〟のテキストの出版が実現し、こうして私達がまた勉強する機会を与えられた事にも感謝したいと思います。そして今回の講座が最後ではなく、また先生の教えを、また先生のあの音を〝生〟で聴かせていただける機会がある事を願うばかりです。                                               (Y.K)

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